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55歳からのお金対策

終活人.jpがテーマにしている「55歳からの終活」。

55歳、自分の将来の暮らしもイメージしやすくなる年齢ですので、55歳から65歳までの10年間で自分にあったかたちで将来の生活のためのお金を増やす最後のチャンスの生かし方を一緒に考えてみましょう。

​老後のお金のためのファーストステップ(自分の公的年金額を確認)※月額ベースで確認

老後を支える最も大切な収入の柱は、やはり、公的年金ですので日本年金機構の年金ネットの話からスタートします。

 

既に日本年金機構の年金ネットを利用している人も多いと思いますが、まだ利用していない人は、自分の老後のお金を考えるファーストステップとして、自分の公的年金がどうなっているのか、将来、どのようになるのかを把握しておくことは大切、自分の年金の将来像を把握するためには年金定期便ではなく年金ネットで自分の年金の将来像を確認できます。

年金ネットでは

①共済加入

年金基金加入 など

が年金ネットで反映されない、あるいは、反映されても金額が異なるなどがあるようですので、過去、私学等・公的(公営)等・年金基金のある企業等に勤務されていた方は、年金ネット+共済に関する情報+年金基金に関する情報を集めて自分の年金の将来像を確認をすることも必要です。

 

それでは、年金ネットの利用手順の説明です。

日本年金機構の年金ネットの利用登録

年金ネットを利用するためには利用登録が必要ですが、利用登録は、若干、時間がかかるので1日でも早く利用登録することをお勧めします。

下図をクリックすると年金ネットの利用登録ページにジャンプします。

​※スマホの方はQRコードを読み取りすると スマホ用ページが開きます。

​※動画は年金ネットの説明動画です。

年金ネット | 終活人
ねんきんネット | 終活人

年金ネットの利用マニュアルで利用方法を確認

利用登録手続きをしても、年金機構から通知の到着を待つなど実際に使えるようになるまでには時間がかかります。

​そのため、使えるようになるまで利用マニュアルをざっと見ておくといいと思います。

③年金ネットで自分の年金を試算

年金ネットの利用登録が終わり、実際に使えるようになったら、自分の年金の試算をしてみます。

試算は、例えば、年金を繰り下げ(支給開始年齢を遅らせ)てもらった場合には年金額はどうなるのかなどの試算が簡単にできます。

また、勤務先に継続雇用制度があり65歳以降も働くことができる場合、会社の給与をもらいながら公的年金をもらうと年金の額はどのようになるのかなど、年金ネットを使うと簡単に試算ができるので、65歳以降の暮らしがイメージできます。

年金ネット年金見込試算 | 終活人

公的年金額簡易表

公的年金簡易表 | 終活人
年金調べ | 終活人

​老後のお金のためのセカンドステップ(現在の月収と年金額の差額をつかむ)

ファーストステップで年金機構の年金ネットの利用ができるようになったら将来の暮らしを支える公的年金の確認をします。

 

まず、公的年金簡易表でみてみましょう。

平均月収が20万円、保険料を納めた年数が40年の会社員の方の公的年金月額は、①+②で11万円、年金月額11万円を平均月収20万円で割ってみる55%(=11÷20)、月収に対して支給される公的年金額の割合は5割を超えています。

一方、平均月収が50万円、保険料を納めた年数が40年の会社員の方の公的年金月額は、①+②で17.6万円、この場合、17.6万円÷50万円=35.2%です。月収に対して支給される公的年金額は、割合だけから見れば4割未満です。

平均月収と年金の差額は、平均月収20万円の方の場合、20万円-11万円=9万円が不足。

一方、平均月収50万の方の場合、50万円-17.6万円で不足する額は32.4万円です。

​このように自分の現在の収入状況と将来もらう年金との差を数字としてつかんでおくことは大切です。

会社によっては+αの年金として企業年金もあるので、それらを含めて現役の時の月収との差額を計算してみることが大切です。

 

日本の公的年金制度は年金格差を抑える意味からか、現役の時に年収が多ければ多いだけ年金が多くもらえるという仕組みではありません。

そのため、働いている時の月収ともらえる年金額の差額がどの程度なのかを早めに把握し、働いているうちに家計の見直しをして将来の生活に備えておく必要も出てきます。また、企業年金はいつまでいくら年金がもらえるのかなども確認をしておく必要があります。

※分かりやすく説明をするため「平均月収」という表現で説明をしています。ご了承ください。

​※​公的年金簡易表は当該記事を書いた時点(2019年)での公開情報をもとに作成しています。

​老後のお金のためのサードステップ(iDeCO、NISA、ロボアドバイザーの活用)

セカンドステップで確かめた自分が受け取る予定の年金額がそれまでの収入と比べて差がある場合、やはり公的年金を補うための準備が必要です。その準備として、ここではiDeCo、NISA、ロボアドバイザーの活用を紹介します。

iDeCO

55歳の方が、将来の暮らしを支えるお金を準備するときに、まず、活用を考えたいのが個人型確定拠出年金iDeCoです。

iDeCoは、個人が自分で積立てる額を毎月5,000円以上、1,000円単位で自分で決めて自分自身の年金づくりをする年金制度ということになります。

従来、60歳までしか拠出(=積立)できなかったのが、令和4年4月制度改定で65歳まで拠出できるようになりました。

この5年間の拠出期間の延長は非常にメリットがあります。1か月23,000円拠出する方は、23,000円×12か月×5年=138万円が従来よりも多く拠出(=積立)できるのです。

このiDeCOを活用することで、企業年金制度のない企業に勤める方でも2階建(老齢基礎年金+老齢厚生年金)年金を3階建年金にすることができます。

 

例えば、55歳から65歳まで10年間(120ヶ月)、毎月23,000円を拠出(支払い)していけば、約276万円弱を自分自身の年金原資としてつくることができます。

 

iDeCoのメリットとしては節税ができることです。例えば、年収500万円の給与所得者が毎月23,000円を10年間積み立てた場合、所得税と地方税で毎年約5.5万円以上の節税ができ、10年間では累計約55万円の節税効果があるので、その節税効果分を別途預金すると、10年間では276万円+約55万円=約331万円を自分の年金原資として準備することができます。(運用損益は考慮しないものとしての説明)

このような有利な制度で、令和4年4月からは従来の掛け金の拠出(支払い)を60歳までではなく、65歳まで続けることができるようになったので老後資金づくりのためにiDeCoの有利さ、便利さはぐっとアップしました。

 

iDeCoは、65歳以降に一時金(一括受け取り)または年金としてもらうという制度、受け取る時にも税の優遇措置として、一時金として一括して受け取りをすれば退職所得控除、年金として受け取りをすれば公的年金控除になるので、老後の暮らしを支えるためのお金の準備という意味では、まず、iDeCo活用を検討するのがいいと思います。

iDeCoは自分で運用方法を決める制度なので、運用を失敗すると大変というような指摘をする人もいますが、実際にiDeCoに加入してみるとこの指摘は正しくないと思います。

 

確かにiDeCoでの運用商品の中には運用益が生じる、あるいは、運用損が生じる商品があるので、過去の運用のリターンが大きいからと言ってそれだけで商品選択をしてしまうとリスクもありますが、運用の失敗が心配な人はノーリスクの預金型商品もあるのでそのような商品を選択すれば安心です。

リスクを避けながらiDeCo口座にお金を貯めていき、例えば、新型コロナのような世界的な社会不安が生じて株式等金融商品相場が大きく値下がりしたら、ここぞチャンスと、iDeCoで貯めておいたお金を運用に回して社会不安がなくなって株式等金融商品の値段が上昇したときに運用益を手にすることができます。

実際、新型コロナが発生した時、世界的な社会不安から株をはじめ金融相場は大きく値下がりしましたが、その後、一気に急騰しました。

例えば、楽天証券で扱っているたわらノーロード日経225は、新型コロナ発生直後の2020年3月に基準価格が9000円程度に急落、しかし、その1年後には16700円程度に急上昇しました。

単純に説明すると90万円が1年後には167万円になったというイメージです。167万円になった後、基準価格が15000円程度に下がり、その後も上がったり下がったりしていますが、もし、90万円で投資して、167万円の時に売ることができれば77万円の利益、しかも、iDeCo口座では利益相当分は非課税なので丸々運用益は自分のものになります。

一般的には、何かをきっかけにした世界的な危機で金融商品値下がりは10年に一度起こるとされていますので、55歳からiDeCoでコツコツ金利のつかない商品でお金を貯めておき、金融危機の時にリスク商品に投資をして、ある程度値が上がったら売って、再び、金利のつかない商品にお金を貯めるということを繰り返すとiDeCoで拠出(=積立)したお金を2倍3倍にもできる可能性があるということになります。

 

iDecoは金融機関ごとに口座管理料や投資できる商品が異なることや、iDeCoの申し込みをしてから実際に制度利用ができるまでに2ヶ月程度時間がかかるので、iDeCo利用を決めたら早めに手続きをした方がいいと思います。

現在、多くの金融機関でiDeCoの取り扱いをしていますが、口座を維持するための費用などもそれぞれ異なりますので、iDeCoナビの情報(http://www.dcnenkin.jp/search/)などをみて選ぶといいと思います。

iDeCoの場合、申し込みから加入、加入後の手続きなどについてやや分かりにくい部分もあるので、少し高めの管理料を払ってもいろいろ相談できる窓口のある金融機関を選ぶのもよさそうです。

下図の例は、毎月23,000円をiDeCoの掛け金として9ヶ月経過したところの資料図(参考)です。運用利回りが12%となっていますが、ここまでの運用結果からすると国内株式のみで運用しておけば評価損益はもっと+だったと思いますが、とりあえず+圏ですのでよしとしましょう。

​また、下図の例では、国内株と外国株での運用ですので評価損益がマイナスに転じることも考えられますので、株式などの運用では不安という方も当然いると思います。

 

そのような方は、運用益も運用損もないいわゆる低リスクな定期預金タイプの商品でいいと思います。

 

元本保証型を選択しても所得控除による節税分があるので、節税できた分を運用益相当と考えればいいということになります。

尚、2018年からiDeCoの掛け金拠出(支払い)が月々払いに加えて年単位での拠出がOKになりました。

例えば、毎月2万円なら拠出できるけど、23,000円はちょっと厳しいという方は、ボーナスの時に拠出ができるということが可能になったということです。 つまり、掛け金の拠出(支払い)を自分の収入と相談しながら年単位で自分はどのくらいまでなら掛け金を拠出(支払う)するのかを柔軟に決められるようになったということです。

iDeCoって何だ?と思っている方は、iDeCo​を活用した将来の暮らしの基盤づくりをお勧めします。

iDeCo | 終活人

NISA

将来の暮らしを支えるお金を準備ための制度として活用したいのがNISAです。

 

NISAは、iDeCoと違って掛け金が所得控除になりませんが、令和6年(2024年)からとても使いやすい制度になります。

 

現行のNISAでは積立型と一般型いずれか一方をその年ごとに選択しなければいけない運用で、積立運用を選択した場合、事実上、一般型運用ができないなど使い勝手がいまひとつでしたが、令和6年(2024年)からは積立型がつみたて投資枠、一般型が成長投資枠として併用+投資枠(=掛け金枠)が大幅増えますので、老後資金を増やすのに非常によい制度になります。(変更内容は金融庁Webで確認できます)

例えば、65歳の時点で退職金(または自分の預金)が1000万円ある方の場合、預金として金融機関に預けていても増やすことが難しいですが、NISAを活用することでつぎのような運用が期待できます。

(ケース1)

つみたて型毎月8万円を10年間、想定運用利回り年3%で運用、10年後1118万円(運用益分158万円)。

※想定運用利回りと4%では10年後1178万円(運用益分218万円)など想定運用利回りは任意で設定。

(ケース2)

1000万円のうち初年度240万円の成長投資枠で年配当利回り4%の株式投資、次年度も240万円の成長投資枠で年配当利回り4%の株式投資、合計480万円の投資枠から年間約20万円の配当を受ける。また、毎月45000円を想定運用利回り3%で10年積み立て10年後630万円(運用益分約90万円)。

 

などの運用方法をそれぞれの方が自分で設定できますのでNISA活用は老後にかなりメリットがあります。

当然、元本保証はされないので運用は自己責任になりますが、倒産リスクがあまりない配当性向の高い優良企業の株式を成長投資枠で購入、つみたて投資枠はインデックス型の投資信託(例:世界株式インデックス投信)などでの運用することでリスクが低く抑える工夫ができそうですが、株式投資もインデックス投信も、当然、上がったり下がったりすることがあり、大きく下がった時には運用がマイナスになったりもすることがあります。

 

一般的には、つみたて型の投資は上がったり下がったりの時も続けることで最終的には運用益を得ていく投資方法なので慌てて解約するなどはかえって損の確定につながるなどもあります。

 

長期運用に慣れていない方は、マイナス局面に慌てて行動をしないなど、始める前に自分自身で決心してからスタートするようにした方が無難です。

​金融庁Webでは、つみたて型の投資した場合のシミュレーションができますので、こうしたWebも参考に長期運用と複利効果などを確認しておくと安心です。

金融庁資産運用シミュレーション 

ロボアドバイザーの活用

最近、フィンテックという言葉を見聞きしますが、これはファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の2つ合体させた造語です。

フィンテックが私たちの暮らしにどのように役立つのかということについては未知数な部分もありますが、自分の将来の暮らしを支えるお金を準備するためにファンテックを活用した金融サービスであるロボアドバイザーと付き合っていくことは、これから主流になっていくと思いますので、早めに付き合い方を知っておいて損はないと思います。

というのは、資産運用は分散投資によるポートフォリオを考えることが重要というようなことを聞いたことがあるかもしれませんが、これまで一般の人が分散投資による最適なポートフォリオを組むのはやさしくはありませんでした。

 

1000万円単位で投資できるような人であれば金融機関に投資相談もできそうですが、毎月、数万円を積み立てていく小口の投資をする私たち一般人が投資相談を金融機関の窓口でするのは気が引けてなかなかしにくい面がありました。

 

でも、ロボアドバイザーなら毎月数万円ならなんとかという小口の投資する人の投資に対する考え方を確認した上で、「はい、あなたにはこれがいいと思います」という最適ポートフォリオ投資提案をしてくれます。

例えるなら、田崎信也さんクラスのソムリエが、私たちのふところ事情や料理構成に合わせて「このワインがマッチしていると思います」とプロの立場からワインを選んでくれるようなものです。

そういう意味から考えると、ロボアドバイザーは画期的なサービスです。

​さて、いよいよロボアドバイザーを活用した投資を行います。(ここでは、初期投資10万円、月額2万円の自動積み立てを楽天証券「楽ラップ」で始めた場合の事例です)。

①口座開設

  ↓

②ロボアドバイザーのアドバイスを受ける

  ↓

③利用の申し込み+最低開始資金※当初資金は取り扱い会社により異なります

  ↓

④利用開始(現金勘定に開始資金が準備される)※下図はその状態

ロボアドバイザー | 終活人

​上記は、用意した10万円がロボアドバイザーとのやりとりで決定した投資ファンド分類に分散投資されて自分のニーズに合致したポートフォリオが組まれる直前の場面の図です。

 

この10万円がロボアドバイザーのアドバイスにより自分で決定した最適なポートフォリオで分散投資がはじまるわけです。

また、自動積立により月々2万円が投資されるわけですが、これも分散投資されていくわけです。

分散投資、分散投資と言うのは簡単ですが、自分で勉強して分散投資をするのは難しいので、ロボアドバイザーを活用して自分のニーズに合致する分散投資によるポートフォリオを組んだ方が合理的だと言えます。

​ただ、ロボアドバイザーを使っての分散投資は維持費用がかかります。この費用は、金融機関によって異なりますので、iDeCoと同じように自分が受けるサービスと支払う費用との関係、費用対効果を考える必要があります。

また、楽天証券の場合、初期費用10万、毎月積立も可能ですが、初期費用の有無、毎月積み立の可否など、金融機関により異なりますので、そのあたりの確認も必要です。

また、ロボアドバイザーを活用しての投資は、複数の金融機関で可能なので、例えば、55歳から60歳まではiDeCoとロボアドバーを活用して比較的安全資産で将来の暮らしのお金づくりをして、iDeCoの掛け金拠出(支払い)が(制度上)出来なくなる60歳から65歳まではiDeCoの毎月の掛け金同額をロボアドバイザーを活用してミドルリスク・ミドルリターンの分散投資と従来のロボアドバーの投資をハイリスク・ハイリターンに投資対象を変更するなどに組み替えるなどで将来の暮らしのお金を準備するなどもできます。

(終活人は、終活とライフスタイルの研究するプライベートラボラトリー、研究テーマは、終活と認知症、終活と住まい 家族信託 相続 老後のライフプラン 終活とIoT です)

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